今すぐやめたほうが練習 その1
- そ少年団、J下部、クラブチーム、高校サッカーと一通り見て、少年団のパパコーチ、Jリーグアカデミーのコーチ、全国強豪クラブチーム、高校サッカーのコーチ監督と話をしてきて、プロを目指す子供達のパパ達に知って欲しいことがあります。
『大人が子供達の個性を奪っている。大人がサッカーを複雑にしている』ことがあるということ
ジュニアでは当たり前となっている練習の中で上記理由から今すぐやめたほうが良いと思う練習をいくつかピックアップしていきます
今すぐやめたほうがいい練習①
コーンドリブル
等間隔に並べたコーンをぶつからないようにジグザグにドリブル。
誰もが小学生の時にやったアレです
ダメな理由
1.速いドリブルが出来なくなる
『足が速い子は多いがドリブルが速い選手は少ない』
これ、どこのチームに行っても言われます。
走るのとドリブルが同じくらいの選手ってほとんど見たことがありません。
私もサッカー経験者ですが『ドリブルすれば遅くなるのは当然だよ』と思ってました。
でも、そんなことは無いのです。
リオネル・メッシは走る速さと、ドリブルの速さがほぼ同じだそうです(詳しくは第1回のブログ参照)走るスピードとほぼ同じ速さでドリブルすることは可能です。それには練習が必要ですがドリブルの練習ってコーンドリブルしかやらないですよね?
ハーフコートを全力でドリブルさせたことありますか?
自分自身でも全力でハーフコートドリブルしたことありますか?
一度みんなにやらせてみて下さい
前方にボール放り出し追いかけるとんでもなく不細工なドリブルになります
コーンドリブルをやればやるだけ、ドリブルは遅くなります。倒したコーンを直せば直すほど、コーチがぶつかったことを指摘すればするほど、ぶつからないように丁寧に『ゆっくり』ドリブルをするようになります。
コーンドリブルはスピードドリブラーを強制的に殺してしまいます
私の息子達はスピードドリブラーです、ジュニア時代にそれを知っていた、あるパパコーチは『ぶつかってもいいからスピード落とすな!』と言って息子達にコーンドリブルをやらせてました。ぶつかっても危なく無い小さいコーンやマーカーを使って。
息子達はスピードに乗ってほぼ全部のマーカーをなぎ倒して行きます。それでも『止まらずドンドン行って』とい言いながらマーカーを直してくれるそのパパコーチ。その人がいなければ今の2人はいなかったと思います。
2.相手をみて抜けなくなる
ドリブルで相手を抜くためには『相手を抜けば良い』
凄く当たり前のことですが、意外と理解していない指導者が多いです
ドリブルが上手くなるためには何をしたら良いですかと聞くと
ボールタッチで足元の技術を磨くとかフェイントや抜き技の動画を見せたりとかそんな回答が返ってきませんか?
『相手を見る』それが一番大事だと思います
コーンドリブルは『相手を見る』ことを選手に省かせてしまいます
コーンの前ではダブルタッチやルーレットを繰り出し華麗にコーンを置き去りにしていきます。それと同じことを試合でも選手はやってしまいます。
相手がどっちをケアしているのか、相手の身体がどっちを向いているのか、そんなのお構い無しに自分の得意な『必殺技』を繰り出します。
キックフェイントで相手が避ければ、真っ直ぐドリブルしたって抜けます。それなのに必死に練習したネイマールばりのエラシコを繰り出しあえなく止められ、次は抜けるようにドリブルテクニック動画をyoutube で見てコーン相手にまた練習を繰り返します
そして、必殺技が失敗しないよう足元ばかり見るようなドリブルが完成してしまいます
そんな時間があれば友達や親と1対1やってください
3.ドリブルの個性が殺される
背が小さい子も大きい子も同じ間隔で並んだコーンを同じタッチ数で抜いていきます。
体格やボールの触り方は十人十色なのに、そのコーンを最短で抜ける正解は一つしかない。それを強制するのがコーンドリブルです。
中には『次はアウトサイドだけ、次はインサイドだけ、次は左足だけ』とかやってませんか?
回答はさらに絞られ個性は死んでいきます。
ドリブラーは小柄な子が多い気がしませんか?
コーンドリブルやってて体の大きい子は良く失敗するように思いませんか。
当たり前です、大人が同じようにやってみてください。コーンの間隔を広げたくなりますよ。
次男がJ下部に入り最初の練習で驚いたこと。J下部の選手達はボール持ったら常にドリブルします。これ、気付かない人が多いと思いますが気をつけてみてください。全国クラスの強豪チームはボール持ったら同じようにドリブルしてボールを止めません。抜くドリブルじゃなくボールを動かす、前に運ぶドリブルです。
中堅クラブチームではボールを持つと止まります。一旦止まってパス?ドリブル?クリア?と考えます。ある程度上に行くとドリブルは相手を抜くものでなく、試合中常に必要なもので自然に出来ないといけなくなります。
移動するときは相手を抜く必要はなく、いきたい場所に適切なスピードで動けるドリブルが必要になります。
すぐにそんなコーンドリブル練習はやめてください