3つのトレーニング方法
ドリルトレーニングとグローバルトレーニングが喧嘩をしている
少年団でコーチをしていると 色々な指導方法が混在していることに気がつきます
「いつものセンタリングからシュートをやろう」
「息子が通っているスクールの練習をやってみよう」
「この前買ったDVDにあった練習をやってみよう」
「トラップが下手だからボールフィーリングを徹底的にやろう」
昔からの練習、最近知った新しい練習
コーチたちが子供達の事を考えて一生懸命考えてくれたメニューです
中には
「私は最新のバルサメソッドを研修してきた 今までの練習方法じゃダメなんだ」
「グローバルトレーニングをしないと意味がない」
と どこかの本やサイトに書いてあるそのままの内容を少年団のコーチにぶつけているパパコーチもいます
特に昔ながらの反復練習『ドリルトレーニング』とちょっと前バルサメソッドとして取り扱われた『グローバルトレーニング』この二つが混在しどちらかを否定しあっている
そんな場面が多いのではないでしょうか?
『ドリルトレーニングは頭の下だけを鍛える練習だ。試合で使える技術は身につかない!』
と、グローバルトレーニングは主張する。
『グローバルトレーニングはサッカーを初めたばかりの人には無理だ。まずは相手のいない状態でボールを触ることから覚える必要があるんだ』
と、ドリルトレーニングは主張する。
そんな感じですかね
とある本にこんな話が書いてありました
”グローバルトレーニング推進委員会のポルトガル人に話をきいたところ、
「え?ボールを満足に扱えないの?だったら、手を使わせなよ。」と言われたことがある。”
つまり、判断ということをそれだけ重要視している。
サッカーの一連のプレーが認知→判断→実行のプロセスを経ているのだとしたら、まずは認知と判断から鍛えましょうという考えなのだろう
こいう考えがある中で 今回はわかりやすく3つのトレーニング方法をまとめました
アナリティクス・グローバル・インテグラル
ジュニアサッカーの指導、お子様への練習メーニューを考える時
一般的な練習は下記の3つのトレーニング方法に分類されるということを頭に入れておくと理解しやすい
アナリティクストレーニング(反復練習)
敵が存在せず、判断力を要求しない反復練習
- アジア圏内でよく行われているトレーニング
- 国内でも昔から普通に行われてきた
- 淡々と同じプレーを反復していくことが特徴
- 南米のトレーニングもこの傾向が強い
俗にゆう「パス練」「コーンドリブル」「シュート練習」などがこれに当たります
日本の少年団で一番よくみる練習です
基礎を教えるには最も適していると思い込み教えているコーチも多いのではないでしょうか?
グローバルトレーニング(一昔前のバルサメソッド)
敵を配置し、状況に応じて判断を必要とする練習
- オランダ・バルセロナのメソッド。
- 技術の向上にフォーカスは当てつつ状況把握・場面的な側面を加えたトレーニング
一昔前に大流行しました俗にゆう「バルサメソッド」です
「トリカゴ」などがこれに当たります
色々な本やビデオ、webでも練習方法が取り上げられていましたので多くの指導者が練習メニューに取り入れ実践されたのではないでしょうか
インテグラルトレーニング
実戦形式の中で、特定のテーマ(戦術)に取り組む練習
- グローバルトレーニングの要素に、実際のゲームに似通った状況を取り入れてる
- 実戦を想定し総合的に行うトレーニング
実際のゲームに近い状況を作り、そのシーンでのやらなくてはいけないことを明確にし、そのテーマに沿った練習を行います
例えば、守備側GK +DF2人 vs 攻撃側3人
ここに 守備側は『速攻を死守する』、攻撃側は『速攻を決める』というテーマをつけます
速攻なので時間は6秒です
守備側は6秒耐えれば勝ち。攻撃側は6秒で決めないと負けになります
実際の試合ではDF2人vsFW3人というだけで試合をするという場面は存在しません
しかし速攻という短い時間の中では存在します
速攻でなければDFは空いてボールを奪取し攻撃につなげなければなりませんが
速攻の場合6秒耐えて味方の戻りの時間を稼げれば良いのです
3つのトレーニングを比較してみる
わかりやすく同じようなメニューで3つのメニューを比較します
FW3人 vs GK1人のシュート練習
サイドからセンターリングをあげて中の2人が合わせてシュート
=アナリティクストレーニング
FW3人 vs DF1人+GKのシュート練習
数的優位を生かして判断しゴールまで結びつける
=グローバルトレーニング
FW3人 vs DF1人+GKの 6秒の時間制限をつけたシュート練習
数的優位を生かし速攻を成功させる練習
=インテグラルトレーニング
ざっとこんな感じです
外から見たら同じような練習でも、コーチが練習に求めるテーマで変わってきます
アナリティクストレーニングでは
「センタリングのあげ方」「ボレーシュートの蹴り方」
グローバルトレーニングでは
「フリーな選手はだれ?」「逆サイド見て!」
インテグラルトレーニングでは
「遅い!」「もっと周りを見て」「誰を使うべき?」
というような声がコーチから掛けられていると思います
重要なのは 練習メニューでなく コーチがこの練習で何を求めているかです
しかし、国内の多くのコーチは練習メニューばかりに目が行き、練習のテーマ、目的、声がけを忘れてしまっている場合が多いです。
コーチが何を言っているか?何を求めているか?
ちょっと気にしながら練習を見てみると面白いと思います
どの練習がベストなのか?
それは、年代、レベルによって変わってくるので一概に言えないと思います
ただ、アナリティクトレーニング(反復練習)→試合形式
という少年団でよく見る練習メニューは問題があると私は思います
コーチ「今日はたくさんドリブルの練習をしよう」
「コーンドリブルをたくさんやったから最後のゲームはドリブルをできるだけ使おう」
「なんで抜けないんだ!たくさん練習しただろう!」
「パスじゃなくてドリブルしろよ!なんのために今日練習したんだ!!」
こんな場面、少年サッカー経験者なら思い当たるところがあると思います
ゲーム中にドリブルを失敗してしまった 理由はなんでしょう?
- 相手が2人いるのにドリブルを仕掛けた
- ドリブル前のトラップが悪かった
- 狭いスペースにドリブルしてしまった
など色々な理由が考えられます
コーンドリブルしかしていない選手に
「今は数的不利だからドリブルじゃないよね?」とか指摘しても選手は「???」ってなってしまいますよね。失敗の理由をコーチが理解し、選手に伝えられないのが問題なのです
コーンドリブル(アナリティクス)でドリブルのボールタッチを教え
3vs1のボールキープ(グローバル)でドルブルの使い所を教え
ゲーム形式(インテグラル)で成功失敗体験を共有させる
この段取りが必要なんです
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