8人制のゾーンディフェンス その1

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問い合わせが多かった『ジュニア年代でのゾーンディフェンス』について、3回に分けて説明します

第1回 ジュニア年代でゾーンディフェンスは必要か?

第2回 導入編 チャレンジアンドカバーを覚える

第3回 実践編 ボールの位置で覚えるポジショニングと役割

こんな感じでまとめたいと思います

 

無知な指導者たちによる ゾーンディフェンスの誤解

「少年サッカーはマンツーマンが基本だ!」

「ゾーンディフェンスは1対1が無いからダメだ」

「ゾーンディフェンスは走らないからダメだ!」

「ゾーンディフェンスなんて小学生にはまだ早い」

私が自分のチームでゾーンディフェンスを教え始めた時、こんな声が周りのサッカー経験者、コーチから聞こえてきました。

この意見、全て間違えです

ソーンディフェンスは
ジュニアでもゾーンディフェンスが現代サッカーの基本
ゾーンディフェンスの方が1対1の場面が多い
ゾーンディフェンスは無茶苦茶走る
ゾーンディフェンスは小学生でも理解できる

のです

指導者の中途半端な知識が間違った解釈を生む

我々の年代は ちゃんとゾーンディフェンスを習っていない
ゾーンディフェンスは1990年代にイタリアでアリゴサッキが提唱しその後ヨーロッパを中心に進化していった
その頃の日本はブラジルのサッカーをベースとしていたためゾーンディフェンスという文化は存在しなかった
元日本代表監督のザッケローニが就任した時 浦和の槙野らは「守り方が全く違う。今までの真逆」とコメントをしてたくらい。プロでもゾーンディフェンスの土壌がないのだから、我々アマチュアが本当のゾーンディフェンスを理解しているわけがない。サッカー経験者でも最初からしっかり学ぶべき必要があるということを理解することからゾーンディフェンス習得は始まります

多くの人が勘違いしている要因として、バスケットボールのゾーンディフェンスがあげられます。
最近では『バスケットボールでは1対1の技術向上を目的とし、15歳以下ゾーンディフェンス禁止』なんてこともあり、サッカーでも『ゾーンディフェンスは育成に向かない!』と思い込んでいる人も多いのではないでしょうか

バスケットボールでのゾーンディフェンスと、サッカーでのゾーンディフェンスは全く別物です

下の図を見てください
ゾーンディフェンスと聞いて、左の図のようなイメージを持っていませんか?

左側の図は、
『とりあえずピッチに満遍なく人を配置しボールが来たら対処する』

右のゾーンディフェンスでは
『ボールを中心に、危険なところを想定し人を配置する』
といった感じです

例えばアメフトのディフェンス
ボール・相手のフォーメーション(ランかパス)・リスタートする位置で守備のフォーメーションが変わります。
相手がランの時は小さく、パス狙いの時は後ろに広く守備を敷きます。
もしこれが『とりあえずピッチ全体に満遍なく人を配置』したらどうなるでしょう?
守備側の数的不利な状況が作られ簡単にボールをゴールまで運ばれてしまいますよね。

バスケットとアメフトの違い、これは『ピッチの大きさ』と『ゴールの大きさ』が関係しています。
バスケットボールのように小さいゴールを守るスポールはゴール前を固めた方が効果的なのでゴール前での守備が多くなり
アメフトやラグビーのようなピッチが広く、ゴールも大きいスポーツは、ゴール前を満遍なく守ることに限界があり、ボールを中心に守備をすることが多くなります

上の表は 縦軸はゴールのサイズ、横軸はピッチの広さです
バスケットボール、ハンドボールは比較的ゴール前での守備がメイン
ラグビー、アメフト、サッカーはボールに対しての守備がメイン

こんな感覚を上記の表から感じ取ってもらえるとわかりやすくなります

また、アメフトでは1プレイずつ試合が止まり指示を出せます
サッカーはボールがアウトしない限りプレーが続き攻守の場面がどんどん変わっていきます。ボールの位置が変わるたびにコーチが指示を出すわけにはいかないので、選手個人が状況を把握して守備の形を作らなくてはなりません

そこで必要になってくるのが『ゾーンディフェンスの戦術』なのです

試合中コーチがいちいち指示しなくとも、自分でポジションとやることを的確に判断しなくてはなりません。そのために『ゾーンディフェンスの戦術』をチーム全員が理解しないといけません。

「そんな難しいこと小学生にできるわけない」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。簡単です。
難しいと思っているのはコーチ(自分自身が)が理解していないからです。
ちゃんと理解すれば運動会のお遊戯のほうが数倍難しく思えます

また、ゾーンディフェンスの動きは11人制より8人制のほうが簡単なので、これから先のことを考えても小学校年代で覚えておくべきです


ジュニア年代のゾーンディフェンス 目的

『試合中ボールに触る回数が増える』

私がゾーンディフェンスを進める理由はこれです

サッカーが上手い子には試合中ボールが集まりますよね。

『エースの〇〇くんにボールを集めろ!』
『今日の試合はエースの○○が中盤でボールを回せ』

なんて指示が出ているから上手い子にボールが集まると思っていませんか?
そうではありません
もし、試合中にエースの〇〇くんの居場所を見つけて、的確にパスを出すことができる子がいれば、その子の方が上手いです。J下部に入れます。

サッカーが上手い子は、ボールの来る位置を知っているからボールに触る回数が多いのです。

ゾーンディフェンスとは『ボールが来る場所に人を配置』していきます
サッカーの試合経験が少なくてもゾーンディフェンスを理解すればボールが来るところにポジショニングができるようになるのです

ボールを触る機会が増えることがなぜジュニア年代で必要か?

というのが ゾーンディフェンス導入後の正のスパイラルです

反対に

なんて、負のスパイラルが起こっていませんか?
サポートが近くにいないと失点に直結するミスになるので、コーチは余計 一つのミスに敏感になります。

ジュニア年代でゾーンディフェンスは必要だと私は思います

そのためには指導者がゾーンディフェンスの目的を定め、正しく理解し、正しく教え、正しい声がけが必要です。それと時間。形になるのに3ヶ月から半年かかります。そこまで根気強く、ブレずに教えられるかも重要です。

特にサッカー経験者のパパには アンチゾーンディフェンス、マンツーマン信者が多いです。そういう人に限って新しい知識を入れたがらないので説明も困難です。
結果は子供達の顔に現れてきます。
「今日はいつもより楽しかった」
「走るのが辛くなかった」
「味方の声が聞こえた」
「〇〇くんが助けてくれた」
なんて声が出はじめたら形ができたきた証拠です

コーチは録画したビデオを見返してください
パスサッカーを強要しなくても相手チームよりポゼッションが上がっているはずです。なぜなら、セカンドボールの場所に自チームが必ずいるからです。

これを知らず、試合中 我が子に
『走れー 追いかけろー 広がれー』
なんて無闇に走らせるのはやめましょう

親もゾーンディフェンスを理解すると
ボールがないところの動きに対して
『今のいい動きだったよ! ナイスラン!』
などなど、ボールがないところでの我が子の動きにも満足できるようになります

次回は導入方法を書きます

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1件のコメント

  1. 第2回 導入編 チャレンジアンドカバーを覚える
    第3回 実践編 ボールの位置で覚えるポジショニングと役割

    →楽しみで仕方ありません!春がくるまえに読みたいです。期待しています。

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