J下部に入って上手くなったの?

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J下部に入ってうまくなったの?

少年団からJ下部アカデミーに移籍し、必ず聞かれるのが

「J下部ってどう?」ということです

どう?の中身は

上手くなっているのか?

ついていけてるのか?

ですよね。

私たちも実際入るまで色々な人に聞きました。
実際に移籍してみて「どう」変わったか簡単に纏めます

 

上手くなったのか?

この回答が1番難しいです。

「ドリブルが上手くなったか?」
と聞かれたら正直わかりません。
以前のように少年団とフットサルのスクールに通っていた方がドリブルだけなら上手くなっていたかもしれません。

「サッカーが上手くなったか?」
と聞かれたら間違いなくYESです。

次男がJ下部に入り私たちが最初に気付かされたこと
技術が高い=サッカーが上手い
ではないということです

「サッカーが上手い」とはどういうことか?

そもそも、J下部のサッカーは少年団のサッカーとは全く違います。
ルールが違う?と思うほどです。

ちょっと例えが悪いかもしれませんが

少年団時代はストリートファイト

J下部はボクシングです

こう書かれると、少年団のコーチの方に怒られてしまうと思いますが、私も少年団のコーチをやり、自分なりに勉強し、様々スクールを見学、プロのコーチ達と話をしてJ下部に負けない指導をしてきたと思っていました。

しかし、実際にJ下部の練習、次男の成長を見ると、上記の例えが一番人に伝えやすいと思います

ストリートで喧嘩が強い人は沢山います。
そういう人がボクシングを始め、世界チャンピオンになる例も多々あります。
でも、ストリートファイトだけをしていて世界チャンピオンにはなれません

サッカーもそれに似ています。

ドリブルがうまい、リフティングが5,000回できる、ハーフラインからゴールまでキックが届く、身体が強い、足が速い、トラップがうまい、パスセンスがある、視野が広い、などなど。それらはサッカーの本質ではなく 「〇〇が上手い」というサッカーの一部分を切り取った『パーツ』に過ぎないのです。

その『パーツ』を武器としてどう使うか、自分の武器を最大限発揮させるにはどこで使い、どう準備するか。武器を発動させるために必要な技術は足りているかを考え理解し、『パーツ』をサッカーで使える『武器』に昇華させ、初めて「サッカーが上手い」となるのだと思います

例えば、次男はJ下部に入った当初、少年団と同じように前を向いたら敵が何人いようとドリブル突破していました。
相手も上手いので少年団時代のように何人も抜けません。
でも、そこそこドリブルは通用していました。

しかし今では、次男がドリブル突破を仕掛ける時はほとんどボールを失うことなく、ゴール前までボールを運ぶことができます。
それは、行く、行かないの状況判断がよくなっただけではありません。
ファーストタッチのボールの置き場所、自分のポジショニング、相手との距離など、ドリブル突破という武器を最大限生かすための前準備を常に行うようになりました。
そうすることでドリブルという『パーツ』がゴールまでつながるチームの『武器』の一つとして認知され機能しはじめたのです。

ストリートファイトでパンチ力がある人も、ボクシングでその必殺パンチ当てるためにはジャブや相手の崩しが必要なのと同じように、サッカーでも自分の武器を成功させるために前準備が必要です。それができるようになりはじめて『サッカーが上手い』と言われるようになるのだと感じました。

 

パーツの強化は少年団でもできるのでは?

サッカーの本質を学ぶためには環境が大事です。
状況を判断し正しく指導できる指導者がいるか、そのコンセプトを理解しているチームメイトがいるか、次のプレイに集中できるようボールがイレギュラーしない人工芝のグランドであるか、練習時間は十分か。
普通の街クラブ、少年団で全てを満たすのは非常にハードルが高いです。

ですから、少年団で基礎を集中的に鍛える、『パーツ』部分に特化し磨くことは理にかなっていると思います。しかし、パーツだけをいくら鍛えても、それを生かすための準備も同時に鍛えないとサッカーが上手くならないことを、指導者や親は頭に入れておかないといけないと思います。
サッカーでプロを目指すのなら必ず『パーツ』からサッカーで使える『武器』に変えるトレーニングがどこかで必要になるということです。

以前のブログでも書きましたが、ジュニアユース以降、『パーツ』のままサッカーをしているチームや選手が多過ぎます。

防御やパンチを当てる技術がないもの同士の喧嘩は腕力が強く打たれ強い(気持ちが強い)方が勝ちます。

でこぼこのグランドで、ボールを蹴りあい、ぶつかり合い、クタクタになるまでがむしゃらにボールを追いかける。ベンチから「負けるな!、気持ちで負けるな!」という声が飛ぶ。これこそストリートファイトの典型的な殴り合いの喧嘩ではないでしょうか。

何歳までパーツの強化と考えるか、それは人それぞれだと思います。少年団やジュニアユース、部活でパーツの強化は可能だと思います。しかし、その先のステージ上がるためにパーツを武器に昇華させる指導ができる人と環境が必要です。しかし、それらを身に着ける場所は限られているということを認識する必要があると思います。

個人の技術はチームか、スクール。戦術は所属チームでというのが今までの流れでしたが、戦術や判断に特化したスクールも数多く存在します。そいうスクールも視野に入れつつ強化していくのも良いと思います

少年団とJ下部の違いは?

少し話が逸れてしまいましたが、J下部は何を強化し教えているかなんとなく伝わったでしょうか?

では具体的に何がどう違うか個別に記したいと思います

人数
J下部= ○13~18人程度/学年
少年団= △10~30人程度/学年

当たり前ですがJ下部は少ないです。また、全員が数百人の中からセレクションで選ばれているため技術の差はありません

コーチ
J下部= ○2~4人/学年
少年団= △1~6人(パパコーチ含む)
J下部は専属が1人と掛け持ちのGKコーチ+他学年のコーチが練習に参加します
また、各人の情報は全てのアカデミースタッフに共有され必要な技術指導が実施されます
当たり前ですがJ下部のコーチは他に仕事を兼務していない専属です
中には日本代表経験者、最低でもユースの経験者が指導します

練習場
J下部= ○人工芝+ナイター
少年団= △近隣の小学校、市の施設など
人工芝での練習は技術の習得は格段に高いです。また、ナイター設備もあり平日の夜間練習も可能です

練習時間
J下部= 5日/週
少年団= 3日/週
多くのJ下部ではジュニアは5日/週です。それ以外の日、スクールは原則認めていないと思います(疲労回復のため)
J下部は練習時は短く平日は90分ほどです。少年団は土日4時間ほど行うこともありますので
J下部 90分×5日 =450分/週
少年団 240時間×2日(土日)+120分(平日)=600分
練習時間だけで見ると30%ほど少年団の方が多いですがJ下部では90分間ほとんど休みなしで動きます。次男もJ下部の練習の方がキツイと言っていましたで、実動時間はJ下部の方が長いと思います

費用
J下部= △1万円以下/月
少年団= ○2,000~5,000円/月
大体これくらいですが、J下部の場合平日練習の電車賃がかかります。
次男の場合、近くの駅まで車で送って往復500円程×20日で1万円くらい月にかかっています。
遠征費はチームバスは無料ですが、新幹線などを使う場合は実費の半分くらいの負担になります。
他の町クラブに比べチームが負担してくれる分結構負担が少なくなっていると思います

試合数
J下部= 8試合/月
少年団= 4~16試合/月
J下部では土日連日の試合は泊まりの大きな大会以外原則組みません。1日2試合を上限としています
招待大会で試合以外にトレーニングマッチを組むチームもありますがウチは疲労を考慮し行いません
通常のトレーニングマッチも20分4~6本ほど、全員を同じ時間で出場させるので実質2試合ほどになります
少年団の時より試合数は減っていると思います。しかし、常に高いレベルの相手との試合で負荷は高いです
トレーニングマッチも複数チームでなく1チームと数本やるため課題と解決が明確になり成長が見て取れます

その他 J下部にあること

練習後の食事
運動後計算された食事を取ることで食育を行います
ここでの食事をとるようになり飛躍的に身長が伸びはじめました

トレーナー
怪我の選手は別メニューで体幹等のトレーニングと復帰メニューを行います
指導はプロと同じ専属のトレーナーです。
一度リハビリ組に入るとなかなか戻れません。怪我が完治しトップコンディションに戻るまで練習に参加できません
その代わり、リハビリ明けは怪我前より体のキレが増す選手も多くいます

練習着貸出
多くのJ下部ではユニフォーム、練習着、ジャージ、コート、移動着、など大量のウェアが無料で配布されます
一部スパイクメーカーがスポンサーのチームはスパイク支給もあります

Jリーグ観戦
ホームゲームはトップチームの観戦を行います。自分たちが目指すチームを常に意識することができます。
トップチームの選手は気さくに話しかけてくれます。

スパイクが長持ちする
練習、試合が人工芝ばかりのためスパイクがすり減りません。
トレシュも不要なため靴を買う回数は激減しました。
その分、高いスパイクをせびられますのでプラマイゼロかもしれませんが。


このように、サッカーを取り組む環境として今まで想像していた以上にJ下部は素晴らしいものでした。
また環境以外にもメンバー全員がプロチームのアカデミーとしての自覚を持っています。小学生ながらその自覚があるようで、学校で疲れていても1人で電車に乗り練習に通い、練習後に眠い目をこすりながら宿題をする。そんな人としての成長の糧にもなっているのだと思います

他のチームは実際どうかはわかりませんが、柏レイソルのアカデミーは次男を1人の選手として大切に育ててくれているのだと思います。

次回は、少年団からJ下部に入って通用するのか?という疑問に答えたいと思います

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