J下部や強豪クラブの8人制ビルドアップ

あなたのチームのコーチはビルドアップを理解していますか?

皆さんのチームではGKからのビルドアップはどのように行っていますか?

GKのパントキックで前線に放り込みFWが身体を張ってとか、前のスペースに放り込み足の速い選手を走らせてとか、やっていませんか?

勝つためには、自陣のリスクを減らし上手くいけばゴールにつながるかも?というのは否定しません。

でも、J下部や強豪クラブがそれをやらないのは何故か考えたことはありますか?

セレクションで集まった選手なので身体も大きいし、足も速い、GKもキック力がある。普通に考えたらJ下部や強豪クラブは放り込みに最も適したメンバーがいるはずなのです。

しかし、それをやらない理由は?

『勝ち負けにこだわらない育成だからじゃない?』と思われるかもしれません。でも、少年団も育成でしょ?J下部だって負けて良い試合はありません。

GKからのビルドアップの必要性について正確に説明できるコーチは何人いるでしょうか?

パントキックはチャンスにつながらない

下記のデータを見てください

GKからの始まるボール(ディストリビューション)の種類ごとで敵陣内でマイボールになった確率を比較しています。

実はプロの試合データではGKからのパントキックが最も相手ボールになってしまう確率が高いのです。

だから、そこをゴールとするJ下部、強豪クラブでは当たり前のように自陣からビルドアップをしていきます。

少年団で当たり前のように放り込みを指示しているコーチはこの事を理解しているでしょうか?

数試合勝って強いチームに当たり、自分より大きくて、速い相手にもぶつかって行け、そして勝ってこいと同じように選手達に言うのでしょうか?

という訳で、今回はJ下部や強豪クラブが行っているビルドアップを解説していきます。

最初に言いますが、見様見真似では絶対に出来ません。自陣で相手に囲われボールを奪われ負けてしまいます。

絶対に必要なことは選手の『判断』です。

こいうい時はこう、とか型にはめては上手くいきません。選手の判断を尊重して練習して下さい。

相手陣地まで、3つのシーンで考える

GKからのビルドアップを確実に相手陣内まで運びマイボールとするために、3つのシーンで考えます

① GKからの3対1
② DFラインでの3対2
③ MFでの2対1

自陣深くでは、より数的有利を高め確実にボール繋ぎボールロストしないようにします

 

ビルドアップの準備

 

①の説明の前に、準備の話をします。

これが最も重要で、これが出来ないと簡単に相手に囲まれてボールを奪われてしまいます。

味方GKがボールをキャッチした時、ホッとして一瞬動きを止めて、目線をボールから離し、ゆっくり前にポジションを移動し、GKはフリーな選手を探しボールを蹴る。これは多くのチームで普通に行われているシーンです。

しかし、J下部では違います。

GKがボールを保持する前、マイボールになるとわかった瞬間にそれぞれがポジションを取るため最速で動き始めます。GKがキャッチした時には下記の様にビルドアップのポジショニングが完了しています。

重要なのは両サイドに開いたDFの位置です。

サイドラインギリギリまで広がります。

これがペナルティエリア内とか距離が近いと相手FWと距離が近くGKはボールを出すことができません。

まず、選手全員がGKがキャッチしマイボールになると『判断』をし、安心するのでなくすぐに動き出すということが必要です。

GKからのディストリビューションが始まるとき この形ができるよう練習をしてください。

 

GKからの31

GKがボールを保持し ビルドアップのポジショニングができていると、下記の通り3対1のシーンが出来上がります。

横幅50mを目一杯使った3対1なのでボールを取られることはほぼありません

GKはキャッチしたボールを足元に置きます

相手FWはGKにプレッシャーをかけてくるのでGKは右か左、どちらかのDFへボールを展開します

これで相手FW一枚をはがして前に進むことができました

レベルの高いGKは左に出すときは左足、右に出すときは右足で蹴ります。左に出すときに右足で蹴ると相手FWに当たる危険と身体が1方向を向いてしまうため左右の足で蹴り分けます

 

DFラインでの32

サイドに開いたDF青#3にボールが渡ると サイドで3対2の状況がつくられます

青#3はボールを前に動かし黄#7か黄#6をおびき出します

黄#7がおびき出されると青#2がフリーになります

フリーな青#2を確認し『判断』をしたらへ青#2へパスを入れてください

これでハーフウェーライン付近まで安全にボールが繋がりました

ここで重要なのことが2つ

・もたもたしない

・青#3がボールを運ぶ

です

もたもたしていると、①でせっかくはがした黄#8がボールにプレッシャーをかけに来てしまいます。また、相手DF 黄#3 黄#4も前に詰めその先が詰まってしまいます。

青#3がドリブルでボールを動かさず、裏へのパスばかりねらっていると黄#7 黄#6は自分のマークを外しません。マークが外れないと先に進まなくなり、時間がかかってしまい上記のもたもたしている状況と同じになってしまいます

青#3が素早く動き相手をおびき出して初めて前に進むルートが出来上がります。
このとき、青#3はまっすぐ進むのではなく、少し中に入りながらおびき出すのがコツです。また、青#3は無理にドリブル突破する必要はありません。ここでボールを失うことが最悪なパターンなので無理せずプレーしてください

 

③ MFでの2対1

青#2までボールが渡ると③ MFでの2対1NO状況になります

ここから先は 各自の状況判断で攻撃を仕掛けます

青#2の前には広大はスペースがあります。ドリブル突破もスペースにFWを走らせることもできます。

青#5に預けてもらい直しも
青#5が前を向いて仕掛けることもできます

ハーフウェーラインを超えたこの先は、チームによりドンドン仕掛けて良いエリアです。ここまでくればボールロスとしても失点に直結しません。まずはここまで80%近い確率でボールを運ぶことが目標です

 

ダメだったら やり直す

①→②→③ と問題なく進むのが理想ですが、もし途中で上手くいかなければ一つ前に戻します。

よくあるのが上記のように、時間がかかってしまい3対2の状況が3対3になってしまうことです

また、黄#7 黄#6のマークが外れず前にボールが出せない時があります。そう判断したら、無理をせず①に戻しましょう

ここで重要なのはGKです

青#3からのパスを確実に受けるため近くに寄ってください

①→②(③に進まなそう、ボールを取られそう)→①。そしてサイドを変えて →②へ。

左サイドでもたもたしていたので相手は左側に集まってきていると思います。そうなると反対側、右サイドはスペースが空いています。

そういう発想で左サイドは諦め、右サイドに一気に展開します。

そして、右側で② MFでの3対2を作ります

 

以上がJ下部や強豪クラブチームがおこなっている8人制ビルドアップの基本です

これをベースとし、状況を判断し①→③へ行くこともあります
相手を引き出しておいてGKから一気に前線へ入れることもあります

相手が2トップの場合①が3対2になってしまうので MFがひとり下がり①を4対2にすることもあります

このように、J下部や強豪クラブは数的優位を作り、自陣でボールを失わずビルドアップをしていく練習をしています

ここで勘の良い方は気づくと思いますが、ずっと出ている3対1や3対2という『数的優位』

ボール回しなので行っているこの練習がビルドアップに繋がっていくのです

 

ボール回し 鳥かご 方向つけてますか?

ただ、ボールを取られないように行っていてもビルドアップの練習にはなりません。数的優位の練習には方向付けが重要です

そのあたりを次回説明します

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