コーチの資質
コーチってどんな人?
ジュニアサッカー にはチームの状況により色々なコーチが存在します
JFA(公益財団法人日本サッカー協会)ではS級〜D級まで指導者ライセンスを発行しています
ライセンスを取るためにはそれぞれ実技と講習を行い更新は毎年行わなければなりません
私もD級指導者ライセンスを取得していますが普通の試合や練習で提示した事はありません
4種(U12)サッカーチームは全国で8,717チーム(2017年)あり
指導者ライセンス保持者は全国で80,308人、そのうちD級ライセンス保持者は45,319人(2017年)
これだけ見ると1チームごとに5~6人はライセンスを持った指導者がいるように見えますが実際はそうではありません。
少年団の場合 1~6年生まで各学年ボランティアのパパコーチが見ています
そのパパコーチ、ライセンスを持っているでしょうか?
昔サッカーをやっていたというだけでコーチをやっている人がほとんどだと思います
私が教えていたチームも パパコーチ8人くらいでしたがJFAのライセンスを持っているのは私一人でした
私は興味があったので個人的に取りいきました
少年団、J下部と 様々な特徴的なコーチにあってきました
そんな愛すべきコーチたちを分類してみます
4つのセグメントに分類
横軸は パッション
右に行くと ロジカルで静かにみているコーチ
左に行くと 感情的で怒ると爆発するコーチ
縦軸は 指示の出すタイミング
上が 選手がプレイをして後に何か言うタイプ
下は 選手がプレイをする前に何か言うタイプ です
A プロの監督タイプ
試合中は言葉少なく 指示も少なめ
良いプレイを褒め 悪いプレイには気づきを与える
怒る事は滅多になく 勝ち負けに一喜一憂することも少ない
母親目線ではもう少しうちの子にわかりやすく教えて欲しいと思われることもある
B システム大好き 作戦板は必需品タイプ
試合中、選手の動きを事細かに指示を出す
フリーな相手選手がいると気になってしょうがない
ボールが動いていても選手を止めて事細かに指示を出す
ハーフタイムや試合後の話が長く小学生には面倒がられる
知識は豊富で引き出しも多い やりたいことが多すぎるので他のコーチからも距離を置かれる
C 巨匠ボヤキタイプ
試合中よく声が出ているが多くはダメ出し
プレイの後にダメ出しは良くするが選手のプレイを尊重しているので「ああやれ」「こうやれ」が少ない
選手を褒めることが珍しいので 褒めると選手の士気が上がる アメ2:ムチ8くらい
古豪のベテラン監督に多く 選手からの信頼は厚い
D 超体育会系理不尽タイプ
特に声が大きい
自分の考えからずれているプレイはたとえ結果が良かったとしても認めない
ワンマンなコーチが多くベンチに他のコーチはいない
罰則的な交代や自チームの選手への罵倒も多い
度がすぎてベンチの方をみながらプレイするようなチームもある
負けると走らされる
選手の判断を尊重するかがポイント
少し面白おかしく誇張しましたがいかがでしょう
感情的な横軸の分類は皆さんわかりやすいと思いますが
縦軸の指示を選手がプレイする前に出すか出さないかが大きなポイントだと私は思っています
過去対戦してきた強豪チームの多くは 選手の判断を尊重していました
サッカーゲームのコントローラーを握っているような指示を出すコーチは強豪チームには少ないです
先ほどの表に 私の独断と偏見でチームの分類を落とし込んでみました
Aタイプ
J下部U-12に多いです
試合中はボールだけでなく 動き出し カバーリング全てに渡りコーチはみて良いプレイを褒めます
ボールがないところで手を抜いて動かないと指摘されます
ゴールあとはゴールにつながるキープレイに絡んだ選手を振り返り称えます
試合終了後も試合の動画を見て再度復習し次回の練習に備えます
試合の修正はその場で全て伝えるのではなく個別に対処するべき事は次回の練習までに用意します
これは他の仕事をしているパパコーチには難しい。。。
J下部や専属のコーチを持っているクラブチームでないと不可能です
少人数の選手育成を長い目で見ると考えると、試合中にああだこうだ大声で言わず感情的にならないのも理解できます。人間性の違いだけではなく、指導のフローが出来上がっているので感情的になりにくいのです
Bタイプ
新しいクラブチームや色々なスクールやバルサメソッド等の知識が多い若い指導者が多いです
言っている事は確かにあっている でも試合中にそこまで言うのではなく練習でやるべきでは?
新しい知識が次から次へ入ってくるので先週と言っていることがガラッと変わったりする
若いが故に人的掌握術がたけてなく教えるのが不得意だったりするのでやりたいことがなかなか形にならない
情報収集に長けている若手は本業の仕事でも優秀な場合が多く長くコーチを続けなかったり、他の収入の良いスクールに引き抜かれることがある
Cタイプ
クラブチーム、少年団NO古豪チーム 伝説の監督に多い
結果が出ているチームにも多いタイプ
先にも書いたが選手からの信頼も厚く 小学生の扱い方に慣れている
他チームから見ると「言葉が悪いな」と感じるが、言っている事は間違っていないし選手もダメなところをわかりやすく理解している
試合では厳しいが試合後は和気藹々と選手と戯れたりすることもある
また、このタイプの強豪チームのコーチは相手選手、審判に対して罵声を浴びせない
Dタイプ
昔ながらの少年団に多い(全ての古い少年団という意味ではないです)
選手をゲームの駒のように扱い制御しようとする
これ以上あまり多くは書きませんが、、、 いますよね?
このタイプのコーチ、普段は温厚で良い人が多かったりします
試合であんだけ子供達に罵声浴びせて怒鳴っていたのに、試合後握手の時はニコニコして「また、よろしくお願いします♫」なんてこともありました
ちょっと怖いですよね
過去私が出会った最悪なコーチ
その1 某県内のクラブチーム
試合中にミスを繰り返した選手一人に対し
「おめえ、もうサッカーやめちまえ!」
「お前なんかサッカーやる資格ねえんだよ!」
「今すぐユニフォーム脱げ!」
と怒鳴り、試合中にも関わらずピッチの中でユニフォームを脱がし退場させた
試合後は他のチームが昼食食べている時間に食事抜きで30分罰走。そのまま午後の試合に
その2 他県クラブチーム
失点後 10番のエースの子を個別に罵倒
直接失点シーンには絡んでいないのに
「お前のせいで失点したんだ」
「あーあ、10番がこんなんじゃ今日は何点取られるんだ?」
2失点後 10番の選手をベンチに下げ試合を見ないで罵倒
「お前やる気あんのか? お前がいない方がチームが良くなるんだよ!」
その間にさらに失点
「お前のせいでまた失点したじゃないか!!」
理不尽すぎて何が何だか理解できません
きっとエースの自覚をもっと持って欲しのだと思いますが残念なコーチです
その3 東北地方の少年団
前日の雪のためグランドはぐちゃぐちゃで試合
ゴール前で味方GKキャッチするも相手FWはキャッチしたGKごと思いっきり蹴りあげGK悶絶
審判からファールの判定後 相手コーチから
「ボールに行ってんだろ!! なんでファールだ!」
蹴ってしまった相手選手はGKに謝ろうと近くも ベンチから
「謝るな! ほっとけ!!」
その後も背中からチャージされたり ボールの間に人がいても ボールに向かっていればセーフという間違った解釈のサッカーが展開されました。
審判に話をしても「まあまあ」といった感じで、地元では有名な力のある監督のようです
人間性の違いもあるがシステム・文化によっても変わる
Aは 育成のシステムが確立し感情的に縛る必要がない
Bは 知識は豊富だがU12を育てるフローの整備と教え方教育が必要
Cは 一見怖いが そういう伝統をみんな理解しついてきている
Dは 一度ビデオで見た方が良い
Dの人も冷静にAのコーチングを見ると変わることがあると思います
特に地方に行くとDのコーチが多い。他も同じような文化なので気づくチャンスがないのでしょうか
『学ぶことをやめたら 教えることをやめなければならない』
ロジェ・ルメール(元フランス代表監督)の言葉です
長男のクラブチームは入団説明会の時にこの言葉を言っていました
指導方法は色々ありますが 『学ぶこと』に貪欲なコーチは自分もチームも変える力を持っている人だと思います
多くの子供達が良いコーチと出会いサッカーが好きになってくれればと思います