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ジュニアユースのクラブチーム選びはなかなか大変です。

ジュニアチームではリーグ戦の終盤を迎え、全国少年サッカー大会の予選も始まります。トレセンに選ばれている選手は活動も始まりまだまだ忙しいこの時期に四月からのチームを決めないといけません。

小学校にいるときはなかなかジュニアユースや中学校の情報は入ってきません

セレクションはJ1のチームから始まりJ2→関東リーグ→地域リーグ→その他の順で開催。上手い選手からどんどんチームが決まっていきます。この時期、クラブチームを考えている親御さんは落ち着かない日々を送られていると思います。

ジュニアとジュニアユースの大きな違いは、ジュニアユースでの移籍は困難という点です。ジュニアユースが合わず退団→地元の部活の選択肢しか普通は無いというのが問題です。

・強いチームに入るべきか?
・必要とされるチームに入るべきか?
・育成はどうなのか?
・進路はどうなのか?

私が去年、ジュニアユース選びで感じたことを纏めます。

ジュニアユースクラブチーム選びに必要なこと

  1. クラブの経済力
  2. ホームグランド
  3. AとBの差
  4. トレーナーの有無
  5. チームモデル
  6. 一学年上のレベル
  7. 所属しているリーグ

と、いう感じで私が思う重要な順であげてみました

1、ジュニアユースだけでは経営が困難である

いきなりお金の話ですが

ジュニアユース、ユースと上がるにつれ事業としては儲からなくなります。理由はスタッフ拘束時間が長くかつ 選手を沢山取れないからです

ジュニアユースのクラブはヨーロッパのクラブチームやJリーグのチームとは収益構造が全く違います。下記のグラフは2017年J1チームの平均です。
営業収益はスポンサーからの広告収入、試合の入場料収入、テレビの放映権が主要な収入です

それに対して街クラブはそれらの収益がありません。収入は選手からの月謝で成り立っています。

たまにユニフォームや練習着にスポンサーが入っているチームもありますがプロとは比べ物にならない微々たるもの。大口で15万円くらい、他は数万円です。
しかも、スポンサーのロゴの入ったユニフォーム、練習着を作るには印刷代版代が必要です、その費用負担はチームにより変わりますが、物品購入費用に含まれてしまっている場合もあります。

クラブチームはプロクラブと比べるより、学習塾と収益構造が近いです。下表では個別指導トライのモデルケースと比較してみました。

比較すると収入から支出を引いた経常利益に大きく違いが出ています。簡単に考えるため会場運営費など経費は人件費同等で計算していますが、塾と比べ収入が少なく人件費がかかるビジネスモデルとなっています。人件費といってもコーチを一学年1人ずつ月18万円しか払っていません。18万円では生活苦しいです。他にも仕事をしないといけません。そうするとチームにかけられる時間が少なくなってしまいます。

このように、ジュニアユース単体のクラブは何か特別なことがない限り経営は非常に厳しいということになります。

育成の肝はコーチだと思います

良いコーチが選手に時間をかけて育ててくれるチームを親は望みます。そのためにはクラブの経済力が高くないと多くは期待できないということになります

では、経営状態を良くするにはどうすれば良いか?

多くのクラブチームはジュニアチームやスクールも運営しているのではないでしょうか。下記表のように、ジュニア、スクールは1人にかかる時間が少なく利益率はジュニアユースより高いのです。

ジュニアやスクールも運営していればコーチは兼任でき複数の収益源から賃料を払えます。設備や事務員、経費も兼用できるため会社経営は格段に良くなります。

さらに、コートを持っているクラブチームは施設利用料収入も見込めます。

自分のコートを持っていることの強みは他にもあります。雨でグランドが使えないとき室内のコートや人工芝のフットサルコートを確保できます。

残念ながら熱意だけでは良いコーチを呼ぶことはできません。

経済面で有利な、ジュニアとスクールを併設し自分のコートをレンタルしているクラブチームは安定したチーム運営ができる必須条件だと考えます

2、人工芝のグランドがあれば強豪チームと試合ができる

ホームグランドが人工芝であることはとても重要です。土のグランドだと強いチームは試合に来てくれません。土のグランドであるがために強豪チームとの試合のチャンスを失っているのです。

J下部のチームは土では試合しません。

大会も人工芝か天然芝のみ。

土用のスパイクを持っていない選手もいます。

逆に人工芝のグランドを持っていると、J下部や関東リーグの強豪が来てくれることもあります。もちろんチームのレベルとコーチの人脈もありますが、土のコートでは絶対にありえません

人工芝の技術的メリットもあります

スライディングが出来る

普段人工芝でやっているチームはあと一歩というところで躊躇無くスライディングをしてきます。普段土でやっていると一瞬スライディングを躊躇します。そのコンマ数秒が勝負を分けることがあります

キーパーが強くなる

これもスライディングと同じで、練習から人工芝だと躊躇無く飛びます。下を気にせずどんどん届く範囲が伸びていきます。

怪我が減る

人工芝の種類によりますがハードグランドより膝に受ける衝撃は少ないです。(ただしブレードのスパイクは引っ掛かりが強く危険なので人工芝に適したスパイクが必要です)

3、AとBの差が大きいチームは問題あり

セレクションを行うクラブチームでもチーム内でレベルの差があります
特に強豪となると、スカウト、内定の選手は初めからAチーム、一般セレクションはB、Cチームからスタートするのが一般的です。
練習の中でA,B,Cチームの入れ替えは当然あると思っていますよね?
しかし、入れ替えが活発に行われていないチームもあります。そうなるとB、Cチームの選手は「どうせ練習してもAには上がれない」という雰囲気があるチームはAチームとBチームで練習に取り組む姿勢の差が現れてきます。
練習会等でAもBも同じように真剣に練習を取り組み挨拶もできているチームはチーム内の健全な競争ができコーチ達も下のチームをよく観ているチームと言えます。

4、怪我をした時はトレーナーがコーチになる

医者=怪我を治す
トレーナー=サッカーができる身体まで戻す(または強化する)

クラブチームによっては怪我をしたら治るまで練習にこなくて良い、というチームもあります。そう言われると選手は余計焦ってしまい復帰を急ぎまた怪我を繰り返してしまいます。

サッカーには怪我がつきものです。怪我をした場合、トレーナーが練習メニューを考えチームと一緒に行動し、選手の状況を逐次チームに報告するトレーナーの有無はとても重要です。
特にジュニアユースでは成長に伴い発症するオスグッやシーバー病といった成長痛、急激に身長が伸びた後にプレイが思い通りにできないクラムジーなど選手だけで解決が難しいことが多く起こります。その時にチームと通じているトレーナーの有無はとても重要な要素になります

あとは当たり前なことなので簡単に

5、チームモデルがぶれているとコーチによって指導方法が変わってしまいます。チームとしてしっかりしたチームモデルがホームページ等に書いてあることも重要です。『育成に力を入れています!』『将来活躍できる選手を育てます!』といった抽象的なことしか書いていないチームは不安です

6、地域リーグは1つ上の学年の成績で次年度のカテゴリーが決まります。いくら過去の栄光があろうが、1つ上の学年が弱いとリーグから降格、自分が3年生の時には下のリーグで戦うことになってしまいます。結果を見ることも大事ですが自分の目で1つ上の学年の試合を見に行くことが重要です

7、多くの人が気にすることだと思いますが私は特に重要ではないと思っています。上位リーグ所属でも無茶苦茶なチーム、下位リーグ所属でもクラブ運営や指導が素晴らしくこれから伸びていきそうなチームもあります。

長くなりましたが、一番重要なのは選手と親が実際に見て一緒に決めることです。

「自分で選んだのだから休まず頑張れ!」
「親に(チームの監督)に言われたから入ったんだけど、、、」

ということにならないよう、親も時間を作って一緒に練習会を見い行きコーチやスタッフと直接話すといいです。
子供の貴重な3年間と貴重なお金をつぎ込むのですから ホームページの試合結果だけでなくぜひ現地で自分の目で判断してください!

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