3-3-1 主流ながら戦術の基礎を学べるシステム
3-3-1
主流ながら個人戦術の基礎を学べるシステム
概 要
- 11人制の4-4-2
- バランスが良い
- すぐに形になる(結果が出やすい)
- エース頼りになる
- 自ら動かないと縦ポンになりやすい
- 3、6、8番がキーマン(特に6番)
個々の役割が明確で個人戦術を学習するのに最も適している
バランスが良く、もっとも多く利用されているシステム
3-3-1同士の場合、拮抗し試合が動きづらい
中盤がダイナミックに動かないと6人で守り前に蹴る縦ポンサッカーになる
バランスが良い分持ち場を離れ難い。システム導入と同時にゾーンディフェンスを理解して選手がスライドする必要がある。導入後結果が出やすいが停滞しやすく、監督と選手が「ゾーンディフェンス」「スライド」を理解できるかが飛躍の鍵になる
ポジション特性
2番(LDF)
左利き。自陣深い位置でボールを失わない技術が必要。前後に動ける機動力があるか、サイドチェンジできるキック力があるか、ボールを取られない技術があるか、一つあれば合格。
3番(CDF)
ロングボールに恐れずヘディングで跳ね返す。最後まで追いかける気持ちがあること
4番(RDF)
右利き以外は2番と同じ
5番(LMF)7番(RMF)
守備の時に戻る意識を持っている。攻撃の時は自ら動きポジションを離れる勇気を持っている。利き足はどちらでも良い。
サイドバックの選手との連携が鍵となるので、縦の関係で息が合う日頃から仲が良い選手を並べると良い。
6番(CMF)
このチームの中心選手。常に相手2,3人に囲まれてもボールを繋ぐことができる技術。CFWとCDFの間のスペースを一人で埋めるスピードとスタミナ、戦術眼が必要。この選手が試合中に消えてしまうと前線に放り込むサッカーになりラインが間延びし6番の仕事が肥大化し燃料切れになってしまう。
8番(CFW)
大きくてボールがキープできるポストプレーヤーか裏へ抜け出すスピードのある選手。相手3人のDFに対して戦える武器があるか、前を向ける強いハートがあるか。
また、ボールロスト時にファーストディフェンダーとし追いかける切り替えの早さとスタミナが要求される
攻撃の形
DF3人が残る必要はないので、原則ボールサイドのサイドバックが上がり攻撃のスイッチを入れる。サイドバックはオーバーラップの他に5番がボールを失った時のカバーを行い2次攻撃に備える。残りのディフェンダーはスライドし2バックの形で相手FWに対応する。サイドバックが上がり形を崩さないと、6番の個人頼り、8番の前への放り込みに終始し縦ポンサッカーになってしまう。
サイドMFとサイドDFの距離を意識し動くことで、チーム全体が連携して動くことができる。「ゾーンディフェンス」「スライド」「チャレンジアンドカバー」を指導者が理解していれば「個人戦術」の学習に非常に適したシステムである。
典型フォーメーションをわかりやすく説明していただきありがとうございます。
とても助かります。
うちの子供たちのチームでも3−3−1を取ることが多いのですが、日頃疑問に思っていることがあるので、ご意見をきかせてもらえると嬉しいです。
① 「サイドMFとサイドDFの距離を意識し動くこと」とありますが、図のように5番が上がったとき、2番はカバーできる程度の距離に離れずについていき、場合によってオーバーラップ、という解釈でよろしいでしょうか?
② ビルドアップとして、サイドを使って行く時、2番、6番、5番による展開で、どのように崩していくことが効果的でしょうか?
また、DFから8番までのルートはどのように構築するのが理想でしょうか
③ 味方が攻め込まれている時のトップ8番の役割を教えてください。ハーフェイライン近くに留まって、相手DF1、2人を釘付けするのか?その場合、攻め込まれているときは何もできないがそれでもよいのか?それとも少し落ちて相手CMFに回るボールを狙いに行くのか?
④ “「ゾーンディフェンス」「スライド」「チャレンジアンドカバー」を指導者が理解していれば「個人戦術」の学習に非常に適したシステムである。”という部分に興味がありますので、もう少し詳しく教えていただけませんか。
サッカーの基本的なことがわかっていないので、教えていただけれると嬉しいです。
コメントありがとうございます
①5番が上がったら2番はサポートできる距離で一緒に動くのが基本です。
サポートできる距離とは、5番がボールロストしたらすぐに取りに行ける距離です。
5番が詰まった場合、追い越す、離れてボールをもらう、カウンターに備えるかはその時の状況判断です。2番の状況判断を見て回りの3番、6番がそれ以外の選択肢をつくれるとベストです
②サイドの3人で崩す基本は数的優位を作ることです。3対2、できれば3対1の状況で前にボールを運びます。同数や相手がそれ以上の場合、他のスペースでやり直す(展開)という選択ができると良いです
③攻められている時、8番はセカンドボールの保持、クリアボールへの対応です。前線で張るイメージではなくペナ外で体を張りルーズボールをマイボールにする感じです。
FW一人が裏を狙って待っているチームをよく見ますが、守備から一発で裏へのボールはほぼ出せません。蹴っても相手DF2人との競り合いになり数的不利な状況です。8番がクリアボールをマイボールにして2列目(特に逆サイドのMF)が追い越して空いているスペースに展開しカウンターが有効です。また、待っているだけよりこぼれ球を常に狙う方が8番にとってもボールを触る機会が増え良いトレーニングになります。
④は今度記事で書きますね。簡単に言うと①で書いた、複数の選択肢を被らずにチームで選択できるか?
そのためには単語の意味をしっかりチーム全員が理解する必要があります。
『サポート』と言っても、こぼれ球なのか、パスをもらうのか、取られた時のディフェンスなのか、わからないですよね。それを同じ言葉で置き換えることがスタートです。
詳細は次回までお待ちください
分かり易く説明して頂きありがとうございます。
いろいろと疑問に思っていたことがわかってきて、サッカーへの興味がより増します。
次回記事楽しみです。
いつも本当に分かりやすく丁寧な記事を書かれておられるので、楽しみにしてます。
自分は、まだ他にも、技術的なこと(フェイント、インサイドキック、トラップのコツ、腕や体の使い方など)、1対1の攻め方、守り方、ワンツーなどのコンビネーションなど教えて頂きたい疑問が沢山あります。お時間の許す折にでも取り上げてもらえると嬉しいです。
これからもブログ楽しみにしています。
1つ教えてください。
ディフェンスのカバーのため、中央の選手がディフェンスラインまで下がり、ボールを奪った際に、中央がぽっかり空くことになりますが、そこをカバーするのはトップの選手になりますか?